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退職者にたいする自社企業年金の減額は認められるか

退職者にたいする退職年金(自社企業年金)の減額は認められるか



先日、岐阜県社会保険労務士会の有志で行っている
「労働判例研究会」に参加した。
研究会のおさらいをしてみたい。

テーマは、退職年金の減額問題、
松下電器産業(年金減額)事件(大阪高裁平18.11.28判決)であった。

テキストは
(1)労働判例百選[第8版](80~81頁)
(2)労働判例2007.4.15(No.930)13~25頁

すでに企業を退職したものの企業年金の減額がなぜ、
どのような場合に許されるのかが、私の問題意識であった。

「使用者が、労働者と合意することなく就業規則を変更することにより労働者の不利益に
労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」(労働契約法第9条)が原則である。

ただし、次条の場合はこの限りでないとし、同法10条で、その要件として以下を揚げている。

「変更後の就業規則を労働者に周知させていること」と
①就業規則の変更が労働者の受ける不利益の程度
②労働条件の変更の必要性
③変更後の就業規則の内容の相当性
④労働組合等との交渉の状況
⑤その他の就業規則の変更にかかる事情
に照らして合理的であること。

現役労働者についての将来の企業年金の減額は、まさしく労働条件の不利益変更である。
しかし、すでに退職したものに、この法理をそのまま適用することはできない。

大阪高裁は、退職者への企業年金の減額を認めた。
その判旨は、次のようである。

()福祉年金契約については、年金規程が福祉年金制度の規律としての合理性を有している限り、
その契約内容は、年金規程に拘束される(約款法理に依拠)。
()年金規程にある「経済情勢の変動」は、改定の必要性を基礎づける程度に達している必要があり、
改定の程度についても、変更の必要性に見合った最低限度のものであること(相当性)が求められる。
()会社の経営状況の悪化の程度は、年金減額の必要性と減額の程度を肯定できる状況にあった。
()年金減額の大きさは、原告退職者の生活に深刻な影響を与えるものとまでは言えないし、
年金制度の目的を害する程度のものとまでは言えないこと。
賛成者が加入者総数の95%あったこと。
説明など手続きも相当である。

()~()の判旨は、就業規則の不利益変更の要件(不利益の程度と相当性、必要性と手続き)と同じ趣旨である。

()は、現役労働者に適用する就業規則法理は、そのまま使えないが、
約款法理(一律の規律の肯定)に依拠して、減額を認めた判旨である。
もっとも、就業規則法理も約款法理に由来するとする有力な説がある。


企業年金に関する別の記事 → 確定給付企業年金裁判でNTT敗訴確定

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