FC2ブログ

プロフィール

社労士永江

Author:社労士永江
 岐阜県多治見市で事務所を開いている社会保険労務士の永江正道と申します。
 経営者も社員も笑顔あふれる会社づくりを全力でサポートしています。
 働く人が生きがいを持てる会社・社会をみなさんとごいっしょに築いていきたいと思います。


最新記事


カテゴリ


最新コメント


月別アーカイブ


最新トラックバック


全記事表示リンク


社労士永江のGoing My Way


アクセスランキング

[ジャンルランキング]
政治・経済
416位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
114位
アクセスランキングを見る>>

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



老齢基礎年金の額の推移とその改定の仕組み

2011年度の公的年金支給額引き下げの根拠となった法律
老齢基礎年金の額の推移とその改定の仕組み



厚生労働省は、年金額改定の仕組みについて、次のように説明しています。

①現在、実際に支給されている年金は、過去、物価下落時に年金額を据え置いた(物価スライド特例措置)経緯から(注1)、
特例的に、本来よりも高い水準で支払われている。(これを「特例水準」といいます)
②特例水準の年金額は、物価が上昇しても据え置く(注2)、
一方、物価が直近の年金額改定の基となる物価水準(平成17年水準)を下回った場合に、その分だけ引き下げるというルール。
③そして、法律上本来想定している年金額(本来水準)は(注3)、
物価や賃金の上昇や下落に応じて(※)増額や減額されるというルール。
(※例えば、賃金の伸びが物価の伸びを下回った場合は、物価ではなく賃金で改定される(注4)。)
○今後、物価や賃金の上昇により本来水準の年金額が特例水準の年金額を上回れば、
本来水準の年金額が実際に支給されることとなる(平成22年度においては、その差は2.2%)。

(注1)1999年~2001年の間に物価は累計1.7%下落したが、政策的見地から年金額を引き下げず据え置いた経緯をいう。
(注2)年金の引き下げをソフトにすすめる経過措置の一つ。法律の原則は、物価が上昇すれば年金額は引上げられるが、「注1」のように、以前、物価が下落したのに年金額を引き下げなかったので、この差額分を解消するための政府の措置。
(注3)本来水準というのは、法律通りに計算した年金額をいいます。
この内容を説明するためには、法律の年金額の改定に係る条項をすべて説明しなければなりません。
あまりにも複雑になってしまうので、この説明は省かせていただいて、別表にその額だけを示しておきます。
(注4)このルールは、国民年金法第27条の3第2項です。その内容は、次のとおりです。
①物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回り、かつ、名目手取り賃金変動率が1以上となるときは
   ⇒ 名目手取り賃金変動率 で年金額を改定する。
②物価変動率が1を上回り、かつ、名目手取り賃金変動率が1を下回るときは
   ⇒ 1(年金額を据え置く)。

【別表】 実際に支給されている年金額(特例物価スライド)と
             法律の原則に基づいて計算された年金額の推移
 年度 前年物価
 変動率
名目手取り
賃金変動率
改定率本来の
年金額
 特例物価
 スライド  
本来の年金
 額との差
1999年度 1.006804,200円804,200円
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
 0.997
 0.993
 0.993
 0.991                             
804,200円
     ×
 0.971
=780,900円
804,200円
804,200円 
804,200円 
797,000円
2004年度 0.997    780,900円794,500円-1.7%
2005年度 1.000 1.000780,900円794,500円-1.7%
2006年度 0.997     0.997     0.997    778,600円792,100円-1.7%
2007年度 1.003    1.000 0.997    778,600円792,100円-1.7%
2008年度1.0000.996   0.997    778,600円792,100円-1.7%
2009年度 1.014    1.009   1.006      785,600円792,100円-0.8%
2010年度 0.986     0.974   0.992       774,660円792,100円-2.2%
2011年度 0.994
 程度か 
 789,700円
(予想額)

※上表の一番右の列の「本来の年金額との差」は、2004年度以降の実際に支給された年金額が、
従来の計算方式である完全自動物価スライドで計算された額とどれだけちがうかを示したもの。
現在、実際に支給されている年金額は「特例物価スライド」の額であるが、
この額が本来の年金額との差が解消されたとき、すなわち、ゼロになったときから、
法律どおりの計算方法=マクロ経済スライド方式によって年金額が決定されることになる。


現在の老齢基礎年金の68歳になる年度以降の年金額は、
原則は、物価変動率によって変更されることになっています。(法27条の3第1項)

しかし、引上げる場合(物価が上昇した場合)は、上記の①と②の方式で改定されます。
引上げ幅を少なくする措置です。

さらに、実際に引上げるのは、法律どおりに計算した年金額(上表の本来の年金額)と
実際に支給されている年金額(上表の特例物価スライドの額)との差が解消されたのちとなります。

そして、年金額を実際に引き下げるのは、前回の引き下げのときの物価水準を下回ったとき、
その下回った分を引き下げるとされています。

このように、特例の上にまた特例という構造になっていて、複雑極まるのです。

以上の厚生労働省の解説=国民年金法の規定にもとづいて、
2005年度以降の年金額が決まってきた根拠を説明してみましょう。

2005年度は、従来の物価変動率で改定され、
前年の物価変動率が±0だったため変更なしの794,500円でした。

2006年度は、物価変動率(以下物価)、名目手取り賃金変動率(以下賃金)とも
前年に0.3%下落したため、その分引き下げられました。
(物価が下落したときは、その下落分で改定する)。
794,500円×0.997=792,100円(100円以下は四捨五入)。

2007年度は、前年、物価上昇、賃金±0だったため、据え置き。

2008年度は、前年、物価±0、賃金下落のため据え置き。

2009年度は、前年、物価1.4%上昇、賃金0.9%上昇のため、
0.9%年金額を引上げることになるが、
まだ、本来額との差が解消していないため、据え置き。

2010年度は、前年物価1.4%下落、賃金2.6%下落、だが、
物価水準がまだ、2005年の物価水準を下回っていないため据え置き。

そして、2011年度は、物価0.6%下落で、2005年水準を0.6%下回ることになるため、
まだ年金額に反映されていない分0.3%引き下げることになる
(0.3%分はすでに、2006年度年金額の引き下げ改定で反映されている)。
792,100円×0.997=789,700円(予想)。

現在、年金額の改定は、特例物価スライドが採用されており、
マクロ経済スライド方式は、法律では決まっているものの本格的にはまだ実施されてない。
しかし、物価が上昇しても年金額を引上げない措置が採られ、
部分的にはすでに走り出しているとは言える。

マクロ経済スライド方式については、次回に回します。

前半は クリック → 年金額の推移とその決定(改定)の仕組み 序
前半は クリック → 年金額の推移とその決定(改定)の仕組み 1
前半は クリック → 年金額の推移とその決定(改定)の仕組み 2
最終回は クリック → 年金額決定(改定)のマクロ経済スライドという仕組み


ランキングに参加しています。
クリックしていただけると読者が増えるそうです。
応援のクリックを願いします。
   ↓
にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ
にほんブログ村
にほんブログ村 経営ブログへ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する


トラックバック

http://nagaesr.blog106.fc2.com/tb.php/113-24134eda

 | ホーム |