厚労省提案の年金支給開始年齢先延ばしを
シュミレーションしてみました
政府がすすめようとしている「社会保障と税の一体改革」の年金にかんする最も重大な改定は次の2つではないでしょうか。
一つは、厚生年金の支給開始年齢引上げの速度を速め、現在65歳である基礎年金の支給開始年齢を68~70歳に先延ばしすること。
もう一つは、年金の支給額を減らすことです。
「持続可能な制度に」「いまの日本の社会保障は、高齢者優遇」と宣伝しています。
私は、消費税増税で庶民により重い負担を強い、国民の老後の暮らしを押しつぶす改革はすべきではないと思います。
「現役世代の負担を減らす」というようなことも言っていますが、年金支給開始年齢引き上げで一番、犠牲になるのは現役世代です。
厚労省は、12月5日、社会保障改革案のとりまとめを公表しました。
年金に関しては、来年の通常国会に提出するのは「年金額を来年度から3年5年間で2.5%削減」する法案です。
共済年金を厚生年金に統合して、共済年金を引き下げることは、引き続き検討としています。
前回ブログで書いたように、厚労省が年金支給開始年齢先延ばしの3案を発表すると、一気に国民の不安と怒りが高まりました。
そのため、年金の支給開始年齢を先延ばしする改革法案は、平成24年と25年の国会には提出しないと先日、小宮山厚労相が記者会見で発表しました。
この約束についても、これまで次々と公約を反故にしてきた民主党の実績を思うと、信用できませんが。
このような事情で、年金改革でいま最も大きな焦点は、年金の史上最大の減額方針です。
この問題については、機会があったら書こうと思います。
今回は、約束していましたので、「厚労省案が実施されたら、年金をもらえるようになるのが、どんどん先へ行ってしまう」ことについてシュミレーションしてみました(永江試案)。
一応、先の小宮山厚労相の発表を前提として、10月11日に厚労省が提案した最悪の案「2年に1歳ずつ支給開始年齢を先延ばしする」法案が平成26年に成立し、27年度から実施されたとしてシュミレーションをしてみます。
現行は次のようになっています。
現在、3年に1歳ずつ厚生年金の支給開始年齢が延ばされています。
一昨年度(昭和24年度)に60歳になった男性からは、すでに、定額部分の支給は無くなっています。
女性は、昭和26年度生まれの方は63歳から定額部分が支給されます。
女性も昭和29年度生まれ以後の方から定額部分の支給はなくなります。
そして、男性は昭和28年度生まれの方から現行60歳の報酬比例部分の支給開始が61歳へ先延ばしされます。
女性は、昭和33年度生まれの方から報酬比例部分の先延ばしが始まります。
以上が現行の制度です。
以下は厚労省案がもっとも早いスピードで実施された場合を想定しての永江のシュミレーションです。
まず報酬比例部分の支給開始先延ばしを前倒しします。
昭和31年度生まれの方から前倒しの影響が出てきます。
そして、次は現在、65歳から支給されている基礎年金の支給開始先延ばしです。
男性は、昭和34年度生まれの方から66歳となり、順次、35年度生まれ67歳、36年度生まれ68歳支給開始となります。
女性は、36年度生まれの方から66歳、37年度生まれ67歳、38年度生まれ以後68歳支給開始となるでしょう。
女性への影響がより大きくなります。
永江のシュミレーションを下表に示しました。
最悪の厚労省案が実施された場合の
報酬比例部分(65歳以上は基礎年金も)
の支給開始年齢シュミレーション
(年度は4月2日生まれ~翌年4月1日生まれ)
生年月日 男性 女性
(年度) 現→改定 現→改定
1955 62→62歳 60→60歳
1956 62→63 60→61
1957 63→64 60→62
1958 63→65 61→63
1959 64→66 61→64
1960 64→67 62→65
1961 65→68 62→66
1962 65→68 63→67
1963 65→68 63→68
1964 65→68 64→68
1965 65→68 64→68
1966 65→68 65→68
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